総合商社

 なぜ総合商社に興味を持ったのか。人それぞれ理由はあると思うが、本音としてはせっかく京大なんだからメガバンクじゃもったいない、総合商社受けるか、っていう人が多いと思う。あとは待遇の良さ。仕事のスケールの大きさ。自分の成長。どうせ仕事するなら海外に駐在もしてみたい。まあこんな漠然とした思いが根底にあって、あとはきれいに言語化しているだけって人がほとんどだろう。

 

 僕が総合商社に興味をもったきっかけは実はそうではなくて、学内説明会で三菱商事双日の話を聞いたときに「なんて素敵なビジネスなんだ!」と素直に思えたことから始まる。あとあと待遇とかを見ていると、かなり良いではないか。実はこんな順序である。

 

 三回生前期まで大学院に行きたいと考えていたのは、いわゆる承認欲求からきていて、京大の法学部まできたらもうこれ法曹なるべきでしょ、という思い、あとは成績が良くていいゼミに入りたい、そんな価値観からだった。まあ志望理由が弱すぎっていうのと、価値観がいろいろあって変わって、将来の自分に前向きになれなかったという挫折があり、三回生後期には完全にやる気をなくしていたが(←ださい)。そもそも京大に入ったのも闘争心からだから、承認欲求自体は否定したくなくて、今後もそれを失えば終わりだと思うけれども、三回生時は完全に失っていた。その点承認欲求からスタートしたわけではない総合商社という選択は、自分なりには積極的な選択であったと言える。

 

 話を戻すと総合商社の素敵なビジネスモデルについて。総合商社は英語変換するとどうなるか考えてみると面白い。実は適切な訳が存在しないのだ。歴史的にはtrading companyと訳されることもあるが適切じゃないとされる。今の総合商社はトレードは本社ではなく子会社を作って行うことも多いし、トレードは企業の海外進出が進み、数十年が経過して企業自体が現地の情報や資金面をクリアできてくると、商社は不要になってくる。商社不要論もよく言われる話だが、それでも総合商社が日本独自の形態をもってまだ世界で活躍できているのは、トレードだけじゃやっていけないと考えた時に、今世界でどんなニーズがあるのか、自分達のトレードを長くやってきたことで得た情報力や金融力、人などの資産をどう使えばニーズを喚起できるか、そんなことを見極めて、いわゆる事業投資というビジネス形態を生み出したからだと言われる。

 

 この事業投資にあこがれる人は多い。将来何がしたいの?ー海外で水やりたい、電力インフラ整備したいーこんな解答をよく就活生から聞いた。いつも思った。それ本当?

 

 優秀な人材が命な総合商社。資金、情報、ノウハウ、これらを総合的に生かして、利潤と社会貢献性の高いビジネスを創る、この考え方、歴史に惚れたためか、具体的にいろいろな社員の方の話を聞いても、それぞれ面白いと思ったけど絶対やりたいことを一つには絞れない。ただこれは、入社後のビジョンが描けていないとされる。実際描けていないけど、今学生で描けている人っているのだろうか。

 

 しかし気付く。総合商社に必要な人材はそういうことを描こうとする頭でっかちじゃない。総合商社が今何をすべきかを考えるのは、コンサル担当だ。総合商社の人材はただ言われることをガッツをもってやりきる精神力、体力、忍耐力。このことに気づくのに長い時間を要した。だから体育会系が多いのは当たり前だ。最低限の頭脳をもっていれば、あとは「粘り強く頑張れること」でいい。

 

 ただ、総合商社も何度か冬の時代を経験して、本社のコーポレートを今では充実させている。リスク管理部という部門がある。社内の事業ポートフォリオを構成するのに重要なコーポレート部門で、社内の各事業のリスクを算定して、会社全体で調整する。総合商社は必要だと思ったときに経営陣が環境を整えるところが好きだ。独自で製品を持つわけじゃないから、新入社員の育成はいわば生命線で、だから間違いなく意欲があれば成長できるし、適性を見てコーポレートと営業の異動を定期的に繰り返す。最終的にはこの働き方が自分と合うと判断したのもあって、SMBCに知名度では劣る双日を選んだため、後悔はない。不安はあるけど。

 

 キャリアサポートセンターにある「総合商社は何をしているのか」という本がとても面白い。自動車金融や排出権ビジネス、産学提携などが面白かった。ただ実際の仕事は多分本で読むのとは違って泥臭い。ここまで考えた時、確かに自分が人事なら、よくわからないけど何か「こいつは頑張れそうだ」と思わせる体育会系を取りたくなる。あとは会社の顔として、綺麗な女の人。懇親会でみんな美女だった。ほんとに。露骨に顔で採ってる。

 

 丸紅の人事「SPIをクリアさえすれば、一定の学歴があればずっと女の人は綺麗な人を採った。仕事柄そりゃそうだ。最近は自重してるけど。笑」

 

 

 女の人に商社はおすすめしない。ほとんど人事に回される。たとえば三井物産に行って人事配属のあと、社内で部長クラスを捕まえる、などのビジョンがあればいいとは思う。あくまで総合商社のビジネスに興味があるなら、コンサルや銀行で商社担当を目指した方がやりたい仕事ができそう。人事の女の人は皆「営業を希望したしコーポレートでも人事は書いてないけど人事に回された」って言ってた。商社って、女性が働く環境はあまりできてないと感じた。